耐震性に優れた五重塔の建築構造
法隆寺「五重塔」の耐震に優れた建築構造とは
法隆寺の五重塔は、非常に耐震性に優れている建築物として有名です。
607年に建設された五重塔は670年に一度焼失したため、現在の五重塔は680年頃に再建されたものです。それから現代まで1300年以上も倒壊することなくその姿を維持し続けています。
五重塔の中心には「心柱」という太い柱が立っていて、一番上である五層の屋根部分で支えられています。それ以外の一層から四層では、心柱に接している部分はありません。
また、一層から五層までつなぐ通し柱のようなものもなく、五重塔は独立した層が上に重なっているといえます。
屋根を支える柱は太く短く、上にいくに従って層が小さくなっているのが特徴です。屋根の長さも同様で、一層目に比べて五層目の屋根は半分の大きさしかありません。
それぞれの層を支えている組物は金具でしっかり固めているのではなく、ある程度隙間があります。そのため、地震の周期に合わせて各層が動くことが可能です。
揺れが激しくなると浮き上がりなどで倒壊の危険性が増しますが、倒壊するほどの傾斜にならないように抑制する役割を心柱が果たしていると考えられています。
建物全体が柔らかい構造になっているため固有周期が長く、粘り強く地震や台風などの外的エネルギーに耐えることができるのです。
五重塔の耐震についての研究は今日も続いており、その構造は現代の建築設計でも活かされています。
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2018.07.09